第33番 千光寺
【歴史・由来】
千光寺といえば、円空仏で知られます。その中でも代表的な仏像が両面宿儺像です。仁徳天皇の時代(4世紀)に、両面宿儺によって開かれたという伝説があります。(両面宿儺については三十一番を参照してください。)
養老4年(720)には、僧泰澄が白山神を招いたとも伝わっています。
仏教寺院としては、平城帝第三皇子真如親王の開基だったともいわれます。親王は弘法大師(774~835)の弟子です。
かつては勅願所だったので荘園を持ち、19の院坊が立ち並び、飛騨の学問の中心の場でもありました。
ところが、室町時代(1392~1573)には、勢いが衰えることになります。永禄7年(1564)、甲州武田の軍勢に攻められ、堂宇はすべて焼失しました。天文15(1546)年のころ、飛騨国守護の三木直頼(生年不詳―1554)が千光寺の堂宇を再建し大鐘を鋳造しました。
やがて、寺を再建した三木氏が滅亡し、寺が力を失ったところ、初代高山城主の金森長近(1524~1608)が由来を聞いて感動し、再興を図りました。
江戸時代には幕府の寺請制度によって末寺が他宗派に転じたり、廃絶したりしましたが、それ以前には十七ヵ寺ほどあったようです。冒頭で紹介した円空仏の円空上人が千光寺に滞在したのは貞享年間と言われています。センの立木に仁王像を刻んだり、各地を巡ってさまざまな仏像を造って教化に当たりました。千光寺に限らず、飛騨の寺院には多くの円空仏が残されています。参道には「五本杉」があり、根元から五本の幹に分岐しています。今では国の天然記念物に指定されています。
千光寺は旧丹生川村時代から、高山市内の学校の遠足などで人気のあるスポットです。かなりの長距離を歩いたあとに登る八丁坂は、子供たちには大きな試練ですが、本堂まで上り詰めた感動もひとしおで、他処では得がたい達成感を味わうことができます。山上の境内から霧がかかる下界を見下ろす風情は神秘的で、事の他聖地にいる雰囲気が体感することができます。現在、千光寺では「癒し」をテーマにした体験、学習、体験修行ができます。森林療法、音楽療法、瞑想療法などもあります。(希望者は直接、お寺へお電話下さい)
御詠歌 | 世 を照 らす千々 の光 を留 めてぞ 袈裟山寺
の有明
の月
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概要 |
第33番 袈裟山 千光寺(せんこうじ) 高野山真言宗 ◇本 尊 千手観世音菩薩(秘仏) ◇観 音 千手観世音菩薩 ◇円空仏 両面宿儺・不動明王・金剛童子・善戝童子・立木仁王 等62体 |
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所在地 |
〒506-2135 高山市丹生川町下保1553 tel. 0577(78)1021 fax.0577(78)1028 |
納経受所 |
寺務所 |
拝観料 |
500円(円空仏寺宝館) |
駐車場 |
あり・門前に普通乗用車50台・バス10台 |
Eメール |
daien@senkouji.com |
URL |
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アクセス |
32番 正宗寺 → 33番 千光寺 ◎距離:約6km ◎車で約10分 |
年中行事 |
修正会/1月1日 春彼岸法要/3月21日 弘法大師御影供養法要/5月3日 秋彼岸法要/9月20日 ■ご開帳 7年ごと ■新しい行事 自由な心の道場(各種プログラム)/不定期 |