第15番 洞泉寺

【歴史・由来】

飛騨市宮川振興事務所の近くにあり、旧宮川村では中心地です。山腹に建つ本堂裏山の山腹には、世界聖誠会建立の、お釈迦様のお骨を安置する佛舎利塔がそびえています。
元和年間、高山素玄寺二世の格翁門越が開山で本尊は小島郷小島城主、小島将監時光の守り本尊だったと伝えられる聖観音です。
以後6代約130年間は、素玄寺の長老格が住職を務めました。
洞泉寺三世環光は、天明7(1795)年に寺を現在の沼尻へ移して本堂を新築しました。しかし、安政5(1858)年の角川地震で壊滅しました。同年2月25日午前1時ごろ起こったマグニチュード6・9と推定される大地震です。その後、十七世量道が、再建に努力して、本尊を釈迦三尊に改めました。世代を重ねて、山門、鐘楼、庫裏などが充実して現代に至っています。
寺宝としているのは、もと本尊として祀った聖観世音、円空作の観音像、高麗伝来といわれる子安観音などです。
秘仏の子安観世音菩薩は、15世紀(享徳2年)に高麗から高僧観照月によって日本へもたらされた像といわれます。観照月は神社佛閣を巡拝しようと、紀州熊野浦に着きました。最初に伊勢の大廟に詣でようとして、順路である志摩の船津村へ着き、与三兵衛方へ宿泊したところ、急病に倒れ、立ち上がることができなくなりました。日本へ渡来した趣旨を遺言して遷化しました。330年以上、与三兵衛方で守られ、その間、船津村では難産が無かったといいます。
18世紀後半に、観照月の遺志を継ごうと与三兵衛の末裔が像を背負い諸国巡拝に出たところ、飛騨の国で病に臥しました。安永9(1780)年以来、洞泉寺に安置されています。
子安観世音菩薩は陶製の立像で珍しく、安産祈願に霊験あらたかです。すべての女性を憐れみ、産婦を守り、心身が安楽保持の願いが込められています。現代においても、安産は人のなす力によってはすべてが叶うことなく、聖なる領域に身を委ねることを考えることも大切です。子安観世音菩薩の由来や霊験を説く「洞泉子安観世音菩薩御和讃」があり、南無や子安の観世音と歌われます。

1
2
3
4
5
6
7
8
9
1
2
3
4
5
6
7
8
9

概要

第15番 玉皐山 洞泉寺(とうせんじ)曹洞宗
◇本 尊 釈迦牟尼佛
◇観 音 子安観世音菩薩
◇円空仏 聖観世音菩薩

所在地

〒509-4423 飛騨市宮川町林184

tel. 0577(63)2025

留守時、13番寿楽寺へ

納経受所

門前、秋田理容室へ

拝観料

なし

駐車場

普通乗用車20台・バス2台

Eメール

matsushita_shougen@hotmail.com

アクセス

14番 慈眼寺 → 15番 洞泉寺

◎距離:約13km

◎車で約18分

年中行事

転読大般若/1月1日

春季彼岸会兼涅槃会/3月20日(春分の日)

はなまつり/4月29日

御開山忌/6月(不定期)

うら盆施食会/8月16日

秋葉尊供養大般若会/9月第2土曜夜

秋季彼岸会/9月(秋分の日)


■ご開帳

不定期